固定資産の購入や造作工事をしたときに、共通費や一括値引きが発生すること多いです。工事に共通する経費や一括値引きの経理処理を確認します。
基本となる工事を確認する(第1段階)
事務所内の工事をしたとしましょう。
基本となる工事というのは、固定資産を計上するのに必要な情報を指します。建物、建物付属設備、器具備品、構築物等、どの勘定科目に該当するのか判断します。
まぎらわしいものもあるので、ざっくり整理してみます。
建物→読んで字のごとく建物
建物付属設備→建物内の空調、電気、水回りなど、建物に埋め込まれているものをイメージ(ビルトインエアコン)
構築物→アスファルトなど地面に設置されているものをいう
機械装置→複数設備が合わさって1つの設備として機能を果たすもの
器具備品→デスク、イス、サーバー等をいう。埋め込み式ではないエアコンなどが該当
ソフトウェア→①コンピューターに仕事をさせるプログラム②システム仕様書、フローチャート等をいう。アプリなどが該当
共通費を確認する(第2段階)
工事をするとき名目は様々ありますが、工事に直接関係ない経費がかかります。
これを共通経費といいます。
具体的には、事前コンサル料、養生費、資材搬入費、資材運送費、一括値引きなどです。
これらの細々した共通経費を合計し、各工事に割り振っていきます。
共通費を基本となる工事金額で割り振っていく(第3段階)
金額 | 共通経費の割り振り | 合計額 | |
A工事 | 1,000,000 | 100,000 | 1,100,000 |
B工事 | 2,000,000 | 200,000 | 2,200,000 |
共通経費 | 300,000 | - |
共通経費を基礎となる工事金額で割り振ります。
上の例ですと共通費300,000円をA工事とB工事の工事代金の割合で、割り振っていきます。
割り振り後の合計額を、会計処理します。
A工事1,100,000/現金預金1,100,000
B工事1,100,000/現金預金2,200,000
となります。
また10万未満は資産に計上せず経費処理が可能です。
その際、10万円の判断を下すのは共通経費割り振り後の合計額で判断します。
共通経費を考慮しなければ10万円未満でも、共通経費を足すと10万円以上になることも実務上よくあります。
工事規模が大きくなると共通経費の割り振りが、上記事例のように1回ではなく複数回やることもありますが基本的な考え方は、このような考え方です。
【編集後記】
ガリガリ君の梨を配っていたのでもらいました!10年ぶりくらいでしょうか。