「車を売った」と一言で言っても、立場や状況によって税金がかかることもあります。
※ツインリンクもてぎにて
通勤用の車を売った
通勤用の車を売ったときです。
譲渡所得の対象となる資産には、土地、借地権、建物、株式等、 金地金、宝石、書画、骨とう、船舶、機械器具、漁業権、取引慣行のある借家権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権、土石(砂)などが含まれます。
ただし、生活用動産の譲渡は非課税の扱いとなります。
例えば、家具、什器、通勤用の自家用車、衣服等、生活に通常必要な動産の譲渡がそれに該当します。
通勤用の自家用車を売却したときは、生活に必要なモノなので譲渡所得が非課税となります。
そのため税金の対象にはなりません。
レジャー用、普段使いの車
旅行や近所の買い物などで使う車を想定しています。
サラリーマンの方が所有する車の用途で、一番多いのではないでしょうか。
売却して利益が出たときは譲渡所得の対象になります。
『譲渡所得の金額=譲渡した金額-(買った時の金額※+譲渡費用)-50万円』
※買った時の金額ですが、時の経過で価値が減少すると考えられる減価償却資産については、その価値の目減り部分も考慮します。
そのため、新車で購入したとしても、譲渡所得が発生することは考えにくいです。
超高級車であるランボルギーニなどのような車をプライベートで買って、それを売った時に利益が出ていれば譲渡所得の対象となります。
とはいえ、こういった車をプライベートで買うとは思えません。
事業に使っている車を売った(フリーランス、個人事業主)
フリーランスの方が事業に使っている車を売った時は、事業所得になりません。
譲渡所得の対象になります。
会計ソフトへの入力も、「固定資産売却益」という科目を使わず、「事業主借」で処理します。
事業所得ではなく、譲渡所得の対象なので、事業の利益にならないからです。
また、損益通算の対象になります。
ただ、フリーランスの方が消費税を納税する義務がある場合には、消費税の処理に注意が必要です。
売却した金額に消費税がかかっているので、消費税を忘れずに処理しましょう。
売却した金額全体が、消費税の課税対象になります。
現金 | 100 | 車(簿価) | 50 | 消費税:課税 |
事業主借(売却益) | 50 | 消費税:課税 |
会社(法人)
会社は営利目的で活動しているので、会社用(名義)の車を購入すれば、資産として減価償却で費用化していきます。
その車を売った時も収益になります。もちろん損がでることもあるでしょう。
個人のように譲渡所得など考えず、得したのか損したのかを考えれば大丈夫です。
「売却価格-簿価(決算書に乗っている金額)」が利益か損になります。
会社の減価償却はするかしないかは任意です。減価償却してもいいし、しなくてもいいとなっています。
減価償却していれば、毎期、車の一部の金額が経費になり、決算書に計上される「車両」の金額は小さくなっていきます。
👇減価償却のイメージ。
買った金額 | 400 | ー | ー | ー |
減価償却(費用化) | 100 | 100 | 100 | 100 |
簿価(決算書の金額) | 300 | 200 | 100 | 0 |
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