珈琲店のコーヒーチケット、整体、モーニングの回数券がありますが、それらを発行したときの経理処理について書いていきます。
法人(会社)と個人事業主で処理が違うところがあるのが注意点ですね。
法人の場合
・法人が回数券を発行したとき➡前受金
・回数券が利用されたとき(サービス提供時)➡売上
回数券発行時から10年経過した事業年度終了時に未使用分の回数券があるときは、その未使用分を収益として計上することになります。
10年経過前に、
①回数券の未使用分の管理をしない
②回数券の有効期限が来た
③法人が継続して収益計上を行うこととしている基準に達した
ときは、一括して収益計上というルール。
2018年(平成30年)に通達が変わり、上記の取り扱いになりました。
2018年より前に書かれた情報では、
・原則として回数券発行時に収益計上
・特例として税務署に申請すれば、商品やサービス提供時に収益計上
となり、現在の処理とは逆になっていました。
2018年以降は、税務署長への確認は不要となっています。
所得税(個人事業主)の場合
法人の処理とは異なります。
法人では回数券発行は「前受金」でしたが、個人事業主では「売上(収入)」となります。
原則:個人事業主が回数券を発行したとき➡収入
例外:回数券を使用したとき➡収入
例外規定で処理をするには、
・税務署長の確認が必要
・継続して回数券利用時に収入計上をする
が要件です。
また、発行した年以降4年経過した年の年末時点で未使用の回数券があれば、収入計上します。
消費税は法人・個人関係なく共通
コーヒーチケットの例で見ていきます。
チケット発行時:不課税
チケット引き換えに店内飲食:10%
チケット引き換えにテイクアウト:軽減8%
チケットの発行そのものは、消費税の課税対象外となります(不課税)。
チケットと引き換えによるコーヒーの提供(サービス提供)により、消費税が課税となります。
店内飲食であれば10%、テイクアウトであれば軽減8%です。
実務上どうする?
前受処理をすると、収入と消費税の認識にズレが生じます。
消費税のことを考えると、回数券の利用時(サービス提供時)に収入とする方法が良いでしょう。
それか、そもそも回数券発行そのものをしないことも考えられます。
管理がめんどくさいのであれば、やめることもひとつの方法です。
一番の効率化は”やめる”ことです。