三菱商事子会社は、監査法人の監査対象でした。会計士と話すことが多かったです。共通の友人もいますし、同じ時期に専門学校で一緒だったことも分かったりと面白かったですね。つながりが増えました。上場企業であれば有価証券報告書などの開示資料の監査があります。
監査のスケジュール
年度で動いています。
【9月】
監査計画概要の説明を受け、監査契約を締結します。
概要説明は、
‣1年間こんなこと監査します
‣どこそこの支店監査します
‣社長などの役員クラスといつ頃、ディスカッションします
‣など
です。
よっぽどのことが無ければ、監査計画概要の説明を受けてから提示される監査報酬で契約します。
昨今の東芝不正などを受けて、品質管理の向上という大義名分のために報酬が上がりました(笑)
その分、人工がかかるからです。
【12月】
①支店訪問
監査法人が支店に出向いて監査します。
②社長、取締役、部長クラスと面談
監査法人と社長との面談に私は同席しませんので詳しい内容はわかりません。
会社の方向性などを社長が熱く語っているようです。
【3月】
①監査役との面談
情報非公開です。不正リスクに関する事項など議論しているようです。
②経理部長との面談
決算直前になり予算と実績の確認をしたり、着地点の打ち合わせをします。
ここでヒアリングした利益と決算後の利益が大きく乖離してれば粉飾とかを疑っているのでしょう。
【4月・5月】
①会社法計算書類の監査(子会社単体の話)
決算書、個別注記表の監査です。
個別注記表は、会計事務所時代よりも深いです。楽しいのですが。
事業報告書は監査の対象ではありません。
②連結パッケージの監査(連結ベースの話)
親会社へ提出する連結パッケージの数値を監査します。
企業内税理士から見た、監査法人の仕事内容
役員会の議事録・稟議書の確認
会計士は、役員会の議事録や稟議書を確認しています。
議事録は社員が目に触れることは無いので、経営者層の考えを見ることができます。
組織がどのような方向性に向かって動いているのか、見ることができるのは会計士のメリットでしょう。
予算と実績をもとに権限ある関係者にヒアリング
予算と実績をもとに部長クラスにヒアリングしていました。
・その商品を取り扱うようになった経緯
・どのような商品なのか
・利益率
・該当部署の課題
など、多岐に渡り質問していました。
回答する企業側の人間もマチマチ。
資料を作成してくる人(A4・1枚)、言葉を巧みに操り?回答する人、などいました。
金庫、翌年度の取引、利益率のチェック
金庫にある現金・受取手形の確認をします。
以前、送別会のために集金したお金を金庫に入れていました。「このお金は財務諸表に影響ありますか?」とマジメな質問をされたのは良い思い出です。
粉飾の手口で、3月に収益を計上し翌年度の4月に逆仕訳をするものがあります。
値引きなどの理由により4月に収益のマイナスがあればチェックしていましたね。
売買する商品により利益率が異なります。
そのあたりの分析もしていましたね。
ランダムに取引をピックアップして、関係者にその証拠資料の提出を求めます。
異常値を示すような取引の有無を確認していました。
地味な仕事が多い(まとめ)
会計士と聞くと華やか?なイメージがあるかもしれませんが、私が感じた印象は地味な仕事の積み重ねかと。
どんな仕事もそうだと思いますが。
監査法人も人材不足のようで、いずれAIにより業務量の負担が減るときが来るのかもしれません。
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〈編集後記〉
会計士の方とメールでやり取りしたので、会計士ネタを書いてみました。
〈育児日記〉
兄が「お腹痛い」と言い保育園をお休みに。2歳の妹は、兄が保育園に行かないことを察知したのか玄関を出たがらず。登園前にもシクシク泣いていました。ちょっぴり切ない気持ちになりました。