減価償却費の計上は、決算の際に行われる「決算整理仕訳」と呼ばれています。決算整理仕訳だからといって決算の時に計上しなければダメという訳ではありません。
決算整理仕訳
決算時に入力する仕訳を「決算整理仕訳」と呼びます。
日々の経理業務ではやらないような処理を決算時に仕訳するものです。
代表的なものは、
・仕入れた商品の在庫がある場合
・家賃・保険の前払い又は未払いの経費がある
・貸倒引当金の処理
・車両費、水道光熱費の家事按分が必要なもの(個人事業主・フリーランスのみ該当)
などです。
減価償却費を毎月計上しておくメリット
決算整理仕訳として決算時に減価償却費を計上すると、決算月に多額の減価償却費を計上することになります。
しかしながら毎月、減価償却費を計上することで決算期直前に”サプライズ”を防ぐことが期待できます。
中小企業では、年間200万円の減価償却費を決算期に一気に計上することはインパクトがあるでしょう。
損益の推移を見た場合、決算月単体に赤字!ということもありえます。
4月 | 5月 | 6月 | ・・・ | 3月(決算月) | |
減価償却費 | 0 | 0 | 0 | ・・・ | 200 |
損益 | 50 | 50 | 50 | ・・・ | △150 |
そこで月15万円ずつ減価償却費を計上しておくと、月次の損益を把握しやすくなります。
4月 | 5月 | 6月 | ・・・ | 3月(決算月) | |
減価償却費 | 16 | 16 | 16 | ・・・ | 24(端数あり) |
損益 | 34 | 34 | 34 | ・・・ | 26 |
減価償却費を毎月計上することで、損益を把握しやすくもなります。
ただし、資金的に減価償却は支出を伴わない費用なので利益=手元資金にはなりません。
決算にサプライズは不要
毎月や3か月ごとにきちんと月次を締めておくと決算がスムーズになります。
決算になってから、バタバタするのではなく、月次や日々の経理から不明点は潰しておきたいものです。
会計事務所でありがちなのは決算になってから、「あれはどうなった?これはどうなってる?」と確認することです。
例えば3月決算で、3月末くらいに前年の4月頃の話をされても誰も覚えてないですよね。(打合せ記録を取っていたとしても・・・です)
会計事務所から見た、お客様への不満の上位に食い込むであろう「お客様が資料をくれない問題」があります。
私の経験でも、資料を頂いたは良いものの、一部足りない資料があったりすることもありましたし。
これに対しては、①どの資料を用意して頂くのか、②どうやって保管してもらうのか、と具体的にご説明することが必要と感じています。
お客様からしたら、どの資料が必要で、どの資料は不要なのかは区別つきにくいですから。
【編集後記】
実家のパグは、夏バテのようです。。