お客様とお話していると「簿記が分からなくて・・」「簿記って難しいですよね。」「簿記くらいやっておいたほうがいいですか?」と聞かれることがあります。簿記検定は受ける必要無いですよ!とアナウンスしています。簿記の知識は無いよりはあったほうが良いのかもしれません。でも、フリーランスや社長がやるべきことではないと感じます。数字の増減だったり、「なぜその数字になったのか?」と考えたり「将来的にはこうなる!」というビジョンのほうが大切です。
簿記の知識が決算書を読む力を阻害することもある
簿記ができると、「この取引の処理をどうしたら良いのか?」という疑問には強くなります。
いわゆる会計処理ですね。
簿記が分かるが故に処理には強くなりますが、それはあくまで過去に目を向けている状況です。記帳することを目的に簿記の勉強する意味はあるでしょう。その先の数字を読む・理解する力までは、簿記検定は教えてくれません。
意外と簿記を全く知らない方のほうが数字を読むセンスはあったりするものです。
簿記を勉強することで、数字を作ったり予測する力が阻害されるリスクがあると感じます。
実務と勉強の違いもある
どんな資格試験もそうかもしれませんが、勉強したことが実務で全て使えるとは限りません。
簿記検定は、中小企業の経理を想定して問題を作成しているものの、実務では使わないものもあります。
手形、小切手、当座預金などの論点は、フリーランスやひとり社長の会社では使わないでしょう。
2019年度の試験から、簿記3級に
・株式の発行、剰余金の配当
・純損益の繰越利益剰余金勘定への振替
・電子債権、電子債務
が追加されます。
株式の発行は、会社設立時に使うくらいでしょう。ひとり社長や中小企業が株式の発行を頻繁にはしないでしょう。
純損益を繰越利益剰余金へ振替は、通常会計ソフトがやってくれます。何も考えず翌期にデータを繰り越せば、振替はやってくれています。ただ、利益が純資産の部を厚くするので、そのあたりを感覚的に分かるようになれば十分だと思います。
電子債権、電子債務は、確実に使わないです。紙の手形を電子にしたものです。元から手形を使っていない会社には何ら関係ありません。
数字に理由が付けられればOK
数字の増減に対して理由を説明できればOKだと感じます。何か特別な分析が必要なわけではなく。
私も「なんで上がったんですかね?」「下がったんですかね?」「今後はこういう方向ですかね?」と聞くようにして、会話のベクトルを合わせています。
もちろん数字を作ってほしい(記帳代行)というニーズはありますので、そこやりつつ。でも、そこで終わらずに数字を読む所までフリーランスの方や社長の方と一緒に走れるようなスタンスです。
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【編集後記】
昨日は、終日自宅で作業系の仕事でした。日曜日にサッカーだったのでジムにもいかず引きこもりました。
【育児日記】
兄:おもちゃのお金を買いました。仕事やお金に興味が出てきたようです。「(将来)どんな仕事しようかな~」と言ってみたり、紙幣を持ってきて「これで何が買えるの?」と質問したり。何が買えるのか適当な答えが意外と難しいです。
妹:保育園にお迎えに行くと男の子と一緒に車や電車で遊んでいることが多いです。家庭の環境が大きいのでしょう。