上場系の経理では税務よりも会計が重視されることが多い理由

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会計事務所から上場子会社経理に転職して意識が変わったことが2つあります。その1つに「税務よりも会計重視」という考え方でした。ちなみにもう1つは、「月次も年次決算も締めるのが早い」ということです。
大企業などをクライアントにしている事務所出身者以外の方は、頭の切り替えが必要になるでしょう。
私は切り替えには苦労しました。
会計事務所では税務上どうなるのかを考えて日々の仕訳をしていきますが、上場子会社ではそうではありませんでした。上場経理も同じです。
会計重視の理由などについて書いていきます。

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監査法人の監査があるから

上場会社では監査法人の監査があります。
会計基準に則った会計処理をしているのか、監査されることになります。
なので、
・減損会計
・資産除去債務
・投資有価証券の評価減
などの検討や処理が必要になります。

税務上関係ないからといって”やらない”という選択肢はありません。

税金を払うのは自分じゃないから

これも大きな理由の1つだと感じています。
税理士の顧客であるフリーランス、中小企業の社長が納税するときは、自腹です。
法人と個人は別人格ですが、株主=社長なので会社も社長個人も一心同体です。

上場会社、子会社の社長はワンマン社長ではありません。
自社がいくら納税しようと腹は傷みません。
経理部も税金がいくらになろうと、「もっと節税できたのに・・」と悔しがることも無かったです。

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利益を出して納税するのが社会貢献だから

三菱商事とその子会社では、基本理念「三綱領」というものがあります。

三菱には、140年余の歴史の中で引き継がれてきた経営の根本理念があります。
それは第四代社長岩崎小彌太により、1930年代に「三綱領(さんこうりょう)」として記されましたが、その精神、価値観は今日に於いても脈々と生きており、三菱グループの企業活動の指針となっています。
(三菱商事HP)

・所期奉公➡期するところは社会への貢献
・処事光明➡フェアープレイに徹する
・立業貿易➡グローバルな視野
私は好きな言葉でした。

上場会社や子会社の社長は、納税が自腹じゃないという理由もあるとは思いますが、納税することで社会貢献を果たす、という考えもあるはずです。

会計上の利益や賞与が大切だから

社長も社員も税金が「いくらになったのか」よりも「税引前利益がいくらなのか」を気にしています。
厳密には、営業利益でしょうけれども。

利益額で個人的な評価も変わりますし、翌期のボーナスにも影響が出ます。
経費計上できるものも経費にせず、資産として計上することもあります。
それなりの社員分のPCは10万未満でも資産か一括償却資産で処理していましたね。
監査上、問題ない程度で。

我々のボーナスに影響でますから・・!

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