フリーランス(個人事業主)の方の通帳について書いてみます。
というのも、最近ご相談いただいた仕事で、立て続けに同じことが起きたので「これは他の方も同じかもしれない」と感じたからです。
プライベートの取引を無視
会計ソフト(弥生会計のようなインストール型、クラウド会計ともに)には通帳を登録します。
会計ソフトに入力することで65万円控除(55万円控除)の要件も満たせます。
会計ソフトに入力していれば青色申告特別控除65万(55万)控除できる
最近、お見かけしたミスはこういったものでした。
・会計ソフトに通帳は登録されている
・しかし、仕事に関係するものだけ入力(登録)し、プライベートのモノは入力(登録)しない
というもの。
すると、会計ソフトの預金勘定が通帳の残高と一致しない現象が起きます。
入金 | 出金 | 残高 | メモ |
100,000 | 100,000 | 売上 | |
40,000 | 60,000 | プライベート |
このような通帳を例にすると、売上の入金は会計ソフトに入力(登録)するが、プライベートの出金を入力(登録)しないことです。
会計ソフトの預金勘定は100,000円となりますが、実際の通帳残高は本来60,000円です。
このようにプライベートを無視し続けて入力していった結果、会計ソフトの預金残高と通帳の残高はズレ続けます。
家事案分を通帳取引でやってしまう
入金 | 出金 | 残高 | メモ |
12,000 | ーー | 電気代 |
通帳から電気代の引き落としがあったときの例です。
間違った処理は、預金の仕訳で家事案分をしていました。
(借方)水道光熱費 | (貸方)預金 | 3,600 | 電気代30%計上 |
このように、経費になる30%部分のみを会計処理していると、電気代は正しく費用計上されていても、預金がズレます。
通帳から出て行った金額は12,000円ですので。
(借方)水道光熱費 | (貸方)預金 | 12,000 | 電気代 |
(借方)事業主勘定 | (貸方)水道光熱費 | 8,400 | 家事案分 |
という処理になります。
これで、電気代は30%が経費になり(12,000円-8,400円=3,600円)、通帳から12,000円出て行った処理になりました。
まとめ
損益だけを見てしまいたくなる気持ちは理解できます。
複式簿記は借方(左)と貸方(右)があり、どちらかが間違えていたとしても、左か右に間違えた思われる現象が現れてきます。
それが貸借対照表でもあります。
今回の事例だと預金勘定がおかしくなっていたので、そこに現れています。