法人事業税の分割基準と事業所税での無給役員、派遣等の取扱い

企業内税理士の税金
Pocket

同じ地方税でも無給役員や派遣の取扱いが、事業税の分割基準と事業所税では異なります。紛らわしいのでまとめてみます。

※台風の中、マンション敷地内で羽を休める黒アゲハ蝶?

スポンサーリンク

含める・含めないの判定

事業所税の判定 分割基準(事業税)
無給役員 含めない 含める
非常勤役員(給料あり) 含める 含める
派遣社員 含めない 含める
パート、アルバイト 含めない 含める

事業所税の従業者割は、企業が支給した給料等に対して課税されます。

そのため、無給役員は無給であるので、含めないことになります。

派遣社員については、派遣元が派遣の方に給料を支給しており、派遣先が給料を直接支給することはありません。派遣先は給料相当の派遣料を派遣元に支払いますが、これは全額給料とは言えないため、含めないことになります。

パート、アルバイトについては、企業が支給する給料ですので、含めても良いのかもしれません。しかし、パート、アルバイトの方を含めてしまうと集計が煩雑になったりしますので含めない、としています。

※パート、アルバイトは労働時間が正社員の3/4未満

会社法上には常勤・非常勤というものは存在しない

中小企業では親族を非常勤役員としていることが多いです。上場子会社では親会社から派遣された一部の方が非常勤役員となっていました。

会社法では常勤・非常勤の区別をしていません。登記も単に「取締役」と記載されているだけです。

役員報酬の観点では、常勤・非常勤の区分は重要ですが、事業所税の観点からは、むしろ給料が支払われているのか否かが重要になります。

分割基準では含める

事業税の分割基準は、2以上の都道府県にまたがって事務所を開設している場合に、各都道府県に税金を按分する際に用いる考え方です(おもいっきり端折っています)。

分割基準そのもので、トータルの税金が変わるものではありません。按分される各都道府県では変わってきますが。

単純に事務所に居る人の割合で按分します。そのため給料が支払われているか否かは関係ないと考えることができます。

【編集後記】

ブログを朝か昼に書くサイクルになりつつあり、夜は本を読んだり、走ったり、考え事したり、夫婦の会話の時間を確保できています。この調子を維持したいものです。

【育児日記】

兄:「ほっかいどうはひろいんだよ」と地図を見ながら教えてくれました。

妹:ダンゴムシを兄の肩越しから見ており、自分では触らず。

タイトルとURLをコピーしました