私はひとり税理士をしています。
フリーランス専門ということもあり、お客様もひとり(家族従業員がいる)の方が多いです。
ずっとひとり(個人事業主)で活動していて人を採用するとなるとそれなりに手間やコストが増えます。
法人(会社)にして給料を払うようになれば手間、コストは増える
人を採用すると、どんな手間やコストが増えるのか。
ざっくり挙げると
・就業規則
・社会保険(健康保険、厚生年金)の加入
・労働保険の加入
・源泉所得税、住民税の天引き&納税
・給与計算
・算定基礎
・年末調整
・通勤費用
と手間(コスト)が増えます。
それを自分でやっても、外部の税理士や社労士に依頼してもコストはかかってきます。
それでも「採用したい」「採用してビジネスを回す」気持ちが大切だと感じます。
「とりあえず忙しいので人を増やしたい」ではいろいろと難しいのではないかと考えています。
大きなコストをかけたくないのは分かりますが、それでも上に挙げた手間とコストがかかることを理解して採用しましょう。
自分でやるにしても自分の時間は差し出すことになるので、ご自身の時間単価と相談して、外部委託にするのもひとつの方法です。
就業規則、給与計算を格安で外部委託しても、安ければ良いとは限りません。
税理士費用、社労士の費用も同じく。
給与計算ソフトを使い自分で給与計算しても、ソフトの利用料はかかりますし、給与計算を外部に委託しても料金はかかってきます。
従業員の税金計算までしてあげて(年末調整にて)、それでいて納税まで雇い主がする必要があります。
給与から天引きという形で。
社会保険も人を給料に応じて、従業員と雇い主で折半します。
10年くらい前であれば、社会保険に加入せず国民年金と健康保険で済ませていた会社もありますが、現在ではムリですね。
それに法律的にどうなの?ということもあり。
「とりあえず採用」がどちらも不幸
雇い主が「給料と交通費くらいで人を採用できる」と考えているようだと、お互いに不幸ですね。
社保も職場の環境整備もお金がかかるものです。
かといって、「社保をはらってやってるんだ」という姿勢もどうかと思います。
そういった職場では、離職率も高いでしょう。
雇っても雇ってもすぐに辞めてしまう組織になりかねません。
雇う側も、採用コストも一時的であれ社保の加入やその手続きもあります。
売上が人件費(と事務所)に消えていき、雇い主(会社やその役員)に残らないという会社を何社も見てきました。
私がフリーランスやひとり社長専門としているのは、そういったこともあるからです。
生半可な気持ちで採用する顧問先を持たないためでもあります。
私、雇い主、従業員、どれも不幸になりかねません。