お客様から資料を預かって会計ソフトに入力することを「記帳代行」といいます。私は記帳代行を受けています。受けていますが、受け方を工夫しています。単に「何でも送ってくださいね。」「よく分からなくてもとりあえず送ってください」というスタンスは取っていません。「何でも送ってね」というスタンスのほうが一見すると親切に聞こえるかもしれませんが、私(税理士)とお客様のためでもあるので、「何でも送ってね」はやっていません。
「何でも送ってね」は、経理がブラックボックス化する
「何でも送ってね。あとはこっち(税理士・会計事務所)でやっときますから!」というスタンスは、親切に聞こえる耳障りの良いものです。
何でも送ってこられた場合には、こちらで線引きして経理するしかないでしょう。大きい金額は質問するにしても、細かいものまでは確認しきれません。
こちらで線引きすれば、本来なら経費になるものが、経費にならなかったり、逆に経費にならないものが経費になってしまったり・・
経費にならず損をすることも、経費にしてしまったが故にリスクになることもあります。
例えば、ブランド品やワインを買ったレシートがあると、贈答用なら交際費ですが自分で使ってるなら経費ではありません。
「何でも送ってね」というスタンスは、経理がブラックボックス化してしまいます。決算や確定申告時期になって「あれ・・?これって経費になってるの??」なんて質問が出てきます。送った本人(お客側)は覚えていたりするんですよね・・(笑)
丸投げは誰のためにもなってない
「何でも送ってね」は、親切そうに聞こえますが、実は税理士のためにも、お客様のためにもなってないことが多いです。
税理士(会計事務所)側は、丸投げされたレシートを自分の主観で経費になるもの、経費にならないものに線引きする時間と手間がかかります。しかも、その線引きが妥当なのか疑問ですし・・
お客様側は、丸投げしているのでデメリットは無さそうですが、実はあります。顧問料などの対価が、レシートを線引きしている時間に取られてしまうことです。
このデメリットは、目に見える実害ではないので厄介です。。。
税理士(会計事務所)が線引きしている時間は、単に単純作業です。お客様は、その単純作業に対価を払っていることになります。もっと相談したいこと、話したいことがあるのに、線引きに時間とお金が発生してしまっている状況です。
税理士(会計事務所)は慈善事業ではないので、特定のお客様だけに時間と労力を投下することはできません。そのため税理士とお客様がある程度、歩み寄る必要があると考えています。
レシートの整理方法
経費になるもの、ならないものを事前にお伝えしています。経費になるものを送ってもらい記帳代行をするスタンスでやっています。
もちろん事前に説明しつつも、経費になるのかどうか疑問が出てきますので、都度メールなどで質問をもらうようにしています。
ここで、レシートの具体的な整理方法を紹介します。
記帳代行をお願いしているなら、やっておきたい整理方法、やってはいけない整理方法をご紹介します。
やっておきたい整理方法
・日付順にしなくてOK
・科目ごとにクリップなどでまとめる
(例)カフェ代、打合せランチ代➡会議費。細々としたもの➡消耗品
・レシートだけ見ても分からないものには、メモを書く(何を買ったのか)
(例)ヤマトや佐川の発送では、お中元を贈ったのか、商品の送料なのか、代引きで消耗品などを買ったのか分からないことがあります。
・レシートの向きは揃える
・レシートは丁寧にたたまなくてOK
・高額なレシートは用途などをメモがあると信頼できる(ウソは書かないでほしいですが・・)
NGな整理方法
上記やっておきたい整理方法の裏返しでもありますが。
・ゴミのように丸めたレシート
・無記名のままのレシート
・向きがバラバラなレシート
・レシートがやたら汚い(コーヒーや油こぼした・・?)
稀にコーヒーをこぼしてしまうことはあるでしょう。ただ、毎回汚れたレシートだと??となってしまいます・・
レシートにも愛を注いでほしいですね。
まとめ
「何でも送ってね」は親切そうに聞こえますが、お互いにメリットは少ないんだということをお伝えしたかったです。どんなものが経費になるのか説明、どのような商売をしているのかを税理士が確認しておく必要があるでしょう。そうしないと、経理のブラックボックス化に陥ってしまいます。
私は記帳代行を受けていますが、丸投げでも投げ方を共有しています。税理士とお客様が歩み寄れる関係性が理想ですね。
【関連記事】
領収書をまとめたりexcelに記録することも「自分で経理」です!