会計事務所業界に勤務しているときには、注記事項に力を入れることはあまりなかったかもしれません。事業会社経理で計算書類を作成するときには、注記事項は地味に使います。転職する前に再確認しておくと良いかもしれません。
中小企業の会計に関する指針
会計事務所では、
「この計算書類は、中小企業の会計に関する指針によって作成しています。」
の文言を必ずといっていいほど、個別注記表の上部に記載していました。
なんのために記載していたのか・・・
それは、借入のために決算書を金融機関に提出するためです。
経団連のひな形
私が計算書類を作成するとき、経団連から出されている「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな形」を利用していました。
監査法人トーマツの先生も参画していますので、安心して使って大丈夫です。
監査法人によっては、会計士協会のひな形を推奨してきます。
でも、経団連ひな形にはトーマツが参画していますし、私はなじみのある経団連ひな形を使っていました。
転職する前にざっと確認しておく
「注記事項って年度末の決算で使う知識なんだから入社前に確認する必要あるのか??」
という疑問があると思います。私は実際にそう思ってました。
しかし、年度末に一気に仕上げようとすると日程的にタイトですし、ミスが生じてしまいます。
経理方法を変更したり、新たな論点が出てきたら、注記に反映する必要があるのか考えてみましょう。
注記に記載する必要があるなら、期中でも前倒しで部分的に作成していきます。
決算後にならないと分からない数値部分を残して、できるところから進めておきます。
過去の事例ですが、法人税法の改正によって建物附属設備と構築物の償却方法が定額法に一本化されました。
このとき「あー改正されるのね」で終わらずに、
『会計方針の変更に関する注記』を思い出せるようにしておきましょう。
会計事務所にいると(たぶん)触れない注記事項なのかなと感じます。
ちなみに、このときの注記は、
法人税法の改正に伴い、「平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第32号 平成28年6月17日)を当事業年度に適用し、平成28年4月1日以降取得の建物付属設備及び構築物に係る減価償却方法を定率法から定額法に変更しております。なお変更による影響は軽微であります。
としている企業が多いのではないでしょうか。
経団連や会計士協会から出されているひな形や、受験生時代に使用していたものを利用して、記憶を呼び起こしておきましょう。
【関連:企業内税理士の視点から見た会計士(監査法人)の働き方】
【関連:企業内税理士で必要な科目】
【編集後記】
居酒屋ランチのトレイにて。
うんうん!と思いながら読みました。
【育児日記】
兄:私に対するライバル心があるのでしょう。私がリフティングを何回かすると怒っています。負けず嫌いは良いことではあるので、まあいいのかなと見守っています。
妹:ちきりんの本を私の本棚から持ってきて「読んで」と言ってきます。ちきりんさんの似顔絵が書いてあるのが好きみたいですね。